今回も催眠の歴史シリーズを
お送りしたいと思います。
今回で最終回。
前回までの記事をご覧になっていない方は
こちらからご覧になることができます。
第1回
https://my65p.com/l/m/glGx732s22X64G
第2回
https://my65p.com/l/m/3HB0YSrDyXIQDw
第3回
https://my65p.com/l/m/ekpRoCA3xDbhLv
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さて、フランスのナンシー市には
今でも19世紀にできた
催眠専門の学校があります。
そして、そのナンシー市で、
ある歴史的な出来事が起こりました……
1890年、
”感情”というものを本格的に
研究した元祖の心理学者である
ウィリアム・ジェームズと、
かの有名な心理学者
ジグムント・フロイトが
ナンシー市で学びました。
この時が、
催眠が心理学と正式に
マリーアジュした瞬間なのです?

そう、あのジグムント・フロイトらが
フランスまでいって
ナンシー市の学校で勉強した時から、
それ以降、催眠は
心理学の分野の
研究対象となりました。
同時にそれまでは一本だった、
心理学の流れが、
大きく分けて3つの分野に枝分かれしました。
それは、
次の3つです。
1つ目、
哲学、思考系と催眠を組み合わせた分野
例:フロイト、ユング、アドラーなど
↑
ここらへんが、
最もポピュラーかもしれませんね。
2つ目、
行動にフォーカスした分野、
現在の行動心理学の元祖になった心理者たち
パブロフとかが分かりやすいかも、です。
3つ目、
催眠に特化した分野。
この分野だけは他の2つの分野に比べて
か細く残った、と言う感じでした。
なぜなら、当時はまだ
社会的に教会が幅利かせていたからです。
19世紀当時は、西洋のほとんどの国で
催眠が教会の目の敵になっていました。
そのため、催眠を実践する人が
みるみると少なくなっていったのです。
それでも、
催眠を残さなきゃいけないということで、
生まれたのが”……“ステージ催眠”です。
現代ではこれが最も、一般の人が抱く
催眠のイメージに近いのではないでしょうか。
こんなやつですね。
イメージ的にww
↓↓↓
でっかい会場で
観客を1人ステージに上げて、
ステージ催眠術師が、
「あなたはだんだんニワトリになーる、
あなたはだんだんニワトリになーる、
あなたはだんだんニワトリになーる……」

すると、その観客が、、、
「私はニワトリです!
私はニワトリです!
コケー! コケー! コケー!」

みたいに、完全にニワトリが
乗り移っちゃうやつですw。
ステージショウに見せれば
本来の催眠だとわかりづらい。
それでも、めざとい
協会関係者は、
「おまえ、催眠やっているな?
奇跡を起こして、
イエス・キリストに近づこうと
してるんだろう?」
みたいに、監視してきたわけです。
でも、ステージ催眠として
催眠を演っている以上は、
「違います! だーんじて、違います!
奇跡でなく、これはあくまでも、
”ステージエンターテイメント”です!
タネもしかけも”ございます!”」
とステージ催眠術師も
言い逃れできたのです。
そして、ステージが終わったあと、
ステージ裏で催眠治療を受けたい人が
こっそり治療を受られたというわけです。
なんだか……
せちがらい!!
そして、その後……
”権威主義的”催眠、
別称エスタブルック催眠が
提唱されます。
これは、とても直接的な暗示で
単純化すると、
「はい、目を閉じて、催眠入りますよー」
「はい、今催眠入ってますからねー」
みたいな強制的な言語パターンを
多用する催眠です。
まあ、このようにさまざまな
心理学者、治療者が
現場や研究室で催眠を発展させていった
わけです。
また、催眠は医療の現場でも
一部重宝されています。
ディーブ・エルマンという
歯科医に対して催眠を
教えていた人がいました。
彼は歯の手術の麻酔に催眠を
使っていたのです。
このように催眠は深いレベルまで
入れることができると、
ペインコントロール(痛覚制御)も
できる便利な技法です。
現在も外科手術で催眠が
使われることもあります。
例えば、私の先生の友人の
心理学者は麻酔アレルギー患者の
催眠を専門でやっています。
具体的には、
心臓のパイパス手術を行うとき。
麻酔アレルギー患者なので、
手術に麻酔を使用できないのです。
でも、麻酔なしで心臓を手術って
不可、じゃないですか。
ですから、麻酔の代わりに
催眠を使って手術を行うわけです。
おもしろいのが、
その場合、意識は起こしたまま、
首から下を無痛にするということを
やるそうです。
つまり、患者は意識があり、
自分の心臓の手術を行われているところを
眺めながら手術する、という状態。
でも、催眠状態なので
まるで他人事のように
自分の心臓が処置されているところを
眺められるそうです。
こういうケースって
ちょっと非日常な感じがしますが、
実は催眠自体は私たちにとって
それほど非日常なことではありません。
例えば、私が一番はじめに
コーチングという技法を習った
師匠の師匠である、
アンソニー・ロビンズ氏曰く、
「現在では、どうやって
催眠に入れるかが問題ではない。
問題はどうやって多くの人を
催眠から出すか、だ。」
↑
これどうゆうことか。
イアゴトランス
通称:ボックスライフ(箱人生)
と呼ばれる催眠の種類があります。
アンソニー・ロビンズ氏が言っているのは
イアゴトランスのことです。
イアゴトランスとは、
こんな感じ。
毎日同じ箱(部屋)で起きて、
↓
毎日同じ箱(カバン)を持って
↓
毎日同じ箱(電車の車両)に乗って、
↓
毎日同じルートで
↓
毎日同じ箱(会社の建物の部屋)で
↓
毎日同じ箱(PC)をにらめながら
↓
時間になったら
毎日同じ箱(会社の建物の部屋)から出て
↓
毎日同じルートで
↓
毎日同じ箱(電車の車両)に乗って、
↓
毎日同じ箱(部屋)に帰り
眠りにつく……
こうやって、多くの人は
自分の人生に疑問を持たずに
一生を終えていきます。

もちろん、それが良いか、
良くないかはあくまで
私たちの価値観に委ねられるのですが……
さて、今回で催眠の歴史シリーズは
一旦、終幕です。
いかがでしたでしょうか?
古くから使われている有用な技法は
催眠のように、
さまざまなものがあるんですよね。
便利さが求められる世の中では
スミに追いやられることも多いです。
しかしながら、
近年瞑想が流行っているように、
古典的なもののほうが、
実は本質的なことが多い、ということは
一理ありますよね。
【編集後記】
先日ご紹介させていただいた
”Oura Ring”が好評だったみたいです。
故人いわく、
「継続は力なり」ならぬ
「計測は力なり」ですからね。
ある意味私の、
物理的な健康における
人生を変えてくれたツールともいえます。
もし、ご興味を持たれた方は、
ぜひこの機会にご検討ください!
→https://my65p.com/l/m/ukUmFCRhlzEdoQ

では、また次回お会いいたしましょう!
能登丈瑛(のとたけあき)


